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仏教におけるSDGs

SDGs とは2015年9月の国連サミットで加盟国の全会一致で採択された、人類がこの地球で暮らし続けていくために、2030年までに達成すべき目標のことを言います。

人が豊かさを追い続けてきた為に自然環境を破壊し、様々なものを大量に消費し続けてきた結果招いてしまった貧困、紛争、気候変動、感染症など数多くの課題を解決に導くために立てられたものです。

私は昔から国や人種が違っても同じ人間であることに違いはありませんが、なぜ人は争い合うのか疑問に感じていました。SF映画やアニメの世界では地球外生命体との戦いが題材になることがありますが、その多くは地球外生命体に対して国や人種に隔たりは無く地球人として一つとなり戦う場面が描かれます。見方一つで国や人種を超えるということでしょう。

SDGsのことを調べるために日本ユニセフ協会のホームページを開くと、宇宙飛行士が宇宙から地球を見た感想が映像で流れていました。「宇宙飛行士達は最初の2日まではみんな自分の国を指さし3~4日までは自分の大陸を指さしていたが、5日目になるとみんな地球は一つなのだと気づいた。」「地球は非常に小さく青く光り孤独である。」「地球は全ての人の家である。それは無くてはならない大事なもので守らなくてはならない。」と、地球全体を離れたところから眺めることによって気づけたのでしょう。私たちも自分を見つめなおすとき、自分を俯瞰して客観視します。そこに大きな気づきがあります。

SDGsは、私たちみんなが、ひとつしかない地球という家で暮らし続けられる「持続可能な世界」を実現するために進むべき道を示したものです。

では、持続可能な世界を築くためには、何をしたら良いのでしょう?具体的には17の目標とそれを達成するために必要な169のターゲットで構成されていますが、先ずは物を大事にする、節電を心がける、人を差別しない等、一人ひとり自分ができる事を「己を忘れて他を利する」精神で行動することが大切です。

宗祖伝教大師は、「己を忘れて他を利する」は「慈悲の極み」だと説かれました。

「慈」とは、すべての者に向けて楽を与えたいという見返りを求めない慈しみの心のことで、「悲」とは、他者の苦しみをすべて取り除こうとする思いやりを意味します。見返りを求めることなく、自分より他者を先に救おうとする慈しみの心と思いやりの心を持つという「己を忘れて他を利する」ことは慈悲の究極の姿であるということです。 SDGsの達成には己の事は置いて、未来の世代のことを考えなくてはなりません。伝教大師は比叡山において人々を幸せへ導くために「一隅を照らす」国宝的人材の養成に尽くされましたが、一隅を照らす人材は、他者を先に照らすことにより、他者から感謝の光で照らされることにより輝きます。持続可能な世界の実現には一人一人の小さな努力の積み重ねが必要となります。未来の世代に美しい地球という家を良い形で継承するために努力しましょう。

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